地方色豊かなロマネスク教会堂

教会堂の建設が熱狂的に始められたロマネスクの時代、ヨーロッパの各地方は、いまだ交流に限りのある閉ざされた世界でした。

このため、教会堂建設に必要な石材、レンガ等の建築資材、技術者、職人等は、限られた範囲内で調達するしかなく、このことが教会堂にさまざまな地方色を付与することになりました。

さまざまな手法の試み 

また、教会堂を恒久の宇宙である神の国として、時間的にも空間的にも堅固な建物として建設するためには、火災や朽廃の不安を伴う木造天井に代えて、教会堂を石材で覆うことが最大の課題となりました。

しかし、天井を石材で覆うと、教会堂の壁面に強大な重圧がかかり、倒壊の危険をもたらします。

その解決のため、さまざまな手法が試みられましたが、手法の違いは教会堂全体の構造に影響を及ぼすもので、その結果、さまざまな建築様式が生まれました。

ちなみに、教会堂の天井を石材で覆う手法として、古代ローマの建築で多用されていた半円形アーチやヴォールトを用いることが多かったことから、後の時代に「ローマ風の様式=ロマネスク」と称されるようになったのです。

このようにして生じた外観、構造のバラエティの豊かさが、統一的な様式を完成させたゴッシックの教会堂と異なる、ロマネスク教会堂の特色と魅力ということができるでしょう。

フランスの主要なロマネスク教会堂をご紹介します。